狼の目に涙

「俺が逃げろって言ったら、ダッシュで逃げろ。無理って思ったら、近くの家に入っても良いから」



お互いに出方を探っているのか、しばらく睨み合っていると、敵が誰もいない道に私を押し出し、逃げろと佐々原くんが叫んだ。


それを合図に、動かない足を必死に前に出した。



佐々原くんが気になって一瞬振り返ると、四人の敵のうち一人が私を追いかけてきていて、三人は佐々原くんに掴みかかっているのが見えた。



…どうか無事でありますように。



佐々原くんが無事なら、私はどうなっても良い。