狼の目に涙

私は素直でもないし、佐々原くんの隣が似合う可愛さもない。
だから目をつけられたんだ。


誰と居たいかは、佐々原くんが選ぶことなんて鼻にかけた言い方、平岡さんは気に食わないに決まってる。


『ねぇ佐々原くん…』

「三浪。多分やばい」

『え?』

「囲まれてる気がする」

『…誰もいないよ?』


どこを見回しても人なんていないし、歩いているのは私と佐々原くんだけ。

いつもと違うのは、この世界から音がなくなったと感じるほど、静かすぎるぐらい。