狼の目に涙

『そうじゃないって。評判とかそんな自意識過剰じゃないし。佐々原くんのために言ってるの』

「俺のため?何だよ俺のためって」



口が滑った気がする。
遠回しに佐々原くんを守ろうとして、多分墓穴を自分で掘りに行った。



『…何でもないです』

「何でもなくないだろ。…もう良い。ここで話してても終わんねぇし」


私の待ったを聞く前に勝手に切られて、佐々原くんには届かなかった。


どうするつもりだろうか。
私のバイト先も知らないのなら、私の家で待ち伏せする?

それなら今日は帰らないでおこうか。