狼の目に涙

佐々原くんの家からここまで二時間もかかるのに、迎えに行くなんて。


『遠いのに、すごい時間かかるよ?一人で帰れるから大丈夫だよ』

「今学校」

『…学校?今まで寝てたの?』

「うん寝てた」


当たり前のように言われたけど、学校で夜の七時まで寝てるなんて。
さっさと家に帰れよと頭の中で毒を吐いた。


「今から家帰ったら遅いし、三浪の家に泊めてもらおうと思って」

『ダメ!』


言ってしまって気付いた。

平岡さんに警告されたことを気にしていて、佐々原くんに近づくと迷惑がかかると思っていた。