狼の目に涙

「え、本当に彼氏なの?」

『彼氏じゃない!ただの友達です』


ふざけて言ってるけど、仕事中でも自由にさせてもらえているのは、店長の優しさ。

有り難く、店の奥に引っ込んで通話ボタンを押した。


『もしもし』

「お。電話出た」

『そりゃ出るよ。佐々原くんから電話なんて、珍しいしね』

「別に深い意味はねぇよ。ただ、今どこにいるのかなって」

『今バイト中だよ』

「何時に終わる?」

『もうすぐ終わるけど』

「もうすぐか…じゃあ迎えに行く。どこ?」


時計を見れば、十分ほどで上がる時間。