『熱は測らなくても良いんですか?』
「高いのは分かってるからいらねぇ。早く、冷えピタ」
『ムカつく…憎しみ込めて貼ってやる』

聞こえないように愚痴をこぼして、思いっきり額に冷えピタを押し付けた。

『飲めたらとりあえず寝てください』
「痛っ!お前見た目とは正反対だな。暴力振るうとか」
『遠慮もない人に言われたくないですから。ヤンキーのくせに』
「そこヤンキーは関係ないだろ…」

さっきの私と同じように聞こえない小言を言いながら、薬が苦手な子どもみたいに喉に詰まらせながら薬を飲んで布団に潜り込んだ。
よっぽどの高熱なのか呼吸が少し荒くて、声もヤンキーらしい覇気が段々となくなっていく。