狼の目に涙

「そろそろ帰るぞ。あんまりいたら風邪引く」

『うん。また来るよ』

「来なくて良いし(笑)」

『佐々原くんのご両親と話したいの』


バス停まで戻って、停まっていたバスに乗り込む。


『じゃあ、また明日ね』

「気をつけて帰れよ」


初めて顔を見た時は、とんでもない悪人に会ってしまったと怯えたけど、話していると全く悪人ではなかった。

むしろ良い人。
言葉の端々に棘はあっても、佐々原くん自身も気付かない程の自然な気遣いが見える。