普段学校で声を出さないから、どれくらい声を張ったら良いか分からない。
大きな声を出して目立ちたくないし、小さな声は相手の耳に届かない。
その調整もできない私の喉を甘やかしすぎて、高校での初めての友達を早速傷つけることになった。
号令に合わせて、怠めに挨拶をしながら椅子に座ると、前の席から一枚の紙切れが机に置かれた。
〝ありがとうはこっちのセリフ
三浪さんの初めての友達になれて嬉しい〟
男の子らしい殴り書きの字体。チャイム前のありがとうは届いていたらしい。
私の立ち位置は、いわゆる三軍。
人を見かけで判断するのは良くないことは分かっているけど、三軍女子に興味を示すような人には見えない。
前を向いて、真剣に先生の話を聞く前田くんの背中が弾んで見えて、不思議な人だと思った。
大きな声を出して目立ちたくないし、小さな声は相手の耳に届かない。
その調整もできない私の喉を甘やかしすぎて、高校での初めての友達を早速傷つけることになった。
号令に合わせて、怠めに挨拶をしながら椅子に座ると、前の席から一枚の紙切れが机に置かれた。
〝ありがとうはこっちのセリフ
三浪さんの初めての友達になれて嬉しい〟
男の子らしい殴り書きの字体。チャイム前のありがとうは届いていたらしい。
私の立ち位置は、いわゆる三軍。
人を見かけで判断するのは良くないことは分かっているけど、三軍女子に興味を示すような人には見えない。
前を向いて、真剣に先生の話を聞く前田くんの背中が弾んで見えて、不思議な人だと思った。



