狼の目に涙

佐々原くんは体の横幅も大きいから、寄ってくれても半分以上を占領している。




落ちそうになりながら体の置き所を探っていると、背中から右の腰に手がまわってきた。




驚いて佐々原くんを見ると、同時に耳を真っ赤にしながら私から目を逸らした。





怪我の手当をしてくれた日を思い出す。

あの時も、耳を真っ赤にしていた。




〝耳真っ赤だね〟


言おうと思ったけど、きっと照れて夢の話をしてくれなくなると思ったから、何も言わずに話し始めるのを待った。