狼の目に涙


『私、本当に毎日泣いてた。ずっと頭真っ白だったし、起きないのかなって不安だった』

「俺は半年以上の記憶は当たり前にないけどさ。夢みたいなのは見てたんだよね」

『…夢?どんな夢だったの?』





りんごを剥き終わってフォークと一緒に佐々原くんの前に出すと、
お尻を浮かせてベットの左に寄り、空いた右側をポンポン叩いて私を呼ぶ。



「ここで聞いてよ」



本当なら恥ずかしくて嫌がるけど、佐々原くんが生きてくれていることが嬉しくて、何の躊躇いもなく靴を脱いで、佐々原くんの右側に足を投げ出して座る。