狼の目に涙

そこで繰り広げる、一人で帰りたいけど心配だから家まで送りたい、意地の張り合い合戦。
知らない女の人の家に泊まるのはしょっちゅうだからなんて、私には知ったこっちゃない。
自然とモテアピールされても、送らない理由にはならない。


決着がつかぬまま学校に着く手前、隣を歩く佐々原雅を見て気づいた。
学校での存在感を強めないために、佐々原雅とは無関係を装おうと決めたことを忘れていた。

昨日、高校を卒業するまでどうにか平穏でいる方法はないか長風呂をして考えた結果、学校では無関係を貫くことが最善だと私の中で決まった。
だから、ここで隣を歩いていては私の三年間平穏計画が崩れる。