「あこちゃん。泣くのはまだ早いわよ」 『え…。あ、ごめんなさい。泣くつもりじゃなかったんですけど…』 病院の前で涙は引っ込めたはずなのに、また溢れてしまっていた。 頬を触ると冷たくて、母親に捨てられた時は全く泣かなかったのに、想いが違うだけで、こんなにも人のために泣けるんだなと思った。 「私たち、一旦仕事に戻るわね。まだ片付いてなくて…」 「雅のこと、見ててくれるか」 『もちろん。何かあれば連絡します』