狼の目に涙

『ちょっと遅くなっちゃいました。来るまでに手こずってしまって…』

「毎日来てくれてるけど、大丈夫?あこちゃん自身の心配もしなきゃよ?」

『はい。…でも佐々原くんに会いたいので』





佐々原くんの肩あたりを撫でてみたけど、いつもの如く返事はなく、機械音が部屋に響くだけ。





もうこのまま、本当に起きないのかな。と思ってしまう静寂。





「あこちゃんは…。雅が起きたら、何て声をかけるか決めてる?」




そんなの、考えたこともなかった。

お父さんに言われて考えてみるけど、何も浮かばない。



今、目の前の瞼が動いたら…どう思うだろうか。