顔を上げると、そこは見事に佐々原くんがいる病院で、半年以上も通い続けると感覚で着けてしまうんだと、嬉しいような憎いような。
病室の扉をノックして開けると、お父さんとお母さんが手を繋いで肩を寄せ合い、佐々原くんを見つめていた。
私に気づくと、繋いでいた手を離し、少し距離が空いて親の顔になる。
「あこちゃん、いつもありがとうね」
「雅。あこちゃん来てくれたぞ。早く起きろよ?」
夫婦の時間を邪魔してしまったようで、申し訳なくなる。
でも入ってすぐ退室することもできず、佐々原くんの側にある椅子に座った。



