狼の目に涙

拭えばそれ以上に溢れる涙に拭うのを諦めて、前がよく見えないまま佐々原くんに会いたい一心で足を前に出し続けた。





多分バス停だろうという場所で、来たであろう佐々原くんがいる病院へ向かうバスに乗り、着いたであろう運転手のアナウンスでバスを降りた。





どれだけ零れ落ちたか分からない涙。


もう出ないだろうと思っても、捨てられた瞬間を思い出すと、また溢れてくる。





こんなに泣いたら、佐々原くんの顔が見れない。



佐々原くんには笑顔で会いたいから、涙は枯らしたい。



深呼吸して、何とか無理矢理涙を封じ込めると、ゴクッと唾と一緒に涙も飲み込んだ。




よし。今なら大丈夫。