狼の目に涙

「あんた…あこ?」






振り返って顔を見たら、すぐに誰か分かった。




『そうですけど…』

「やっと見つけた。あんたの母親よ」







そう言われた時、全身の血の気が引いていった。



例えで言われる言葉は本当なんだと、心の中で冷静に感心する。






捨てられる前と変わらない。

髪の毛を無駄に巻いて、化粧も香水も派手。




いい歳して恥ずかしい、この人が私の母親だと思われたくない。






『今さら何の用ですか。お金なら、ありませんので…』





この人がわざわざ会いに来る用事なんて、お金しかないのは分かっている。



そっけなく対応して、またバス停に向かおうとするも、すぐ腕を掴まれた。