狼の目に涙

私と前田くんも、卒業後の進路のことが話題に出るようになったけど、お互いに決まっていたようなもので、焦ることなく安泰といえば安泰。



参考書や赤本を手に、下を向いて歩く生徒が多い中、私と前田くんは桜の木を見て黄昏るほどの余裕っぷり。






佐々原くんのことで頭がいっぱいだから、余裕ではないけど。




『今日はバイトないから、佐々原くんに会いに行くけど、前田くんはどうする?』

「僕バイトあるから。明日行く」





桜が満開になった報告もしたかったし、今日は一人で病院に向かうことにした。


正門を出て前田くんと別れ、バス停に向かう。