狼の目に涙

お粥をまだのけ反りながら食べる佐々原雅を背に浴室に入った私は、ようやく一息ついて湯船に全身を預けた。

今まで地味を貫き通してきた私が、家で学校一の強面ヤンキーを手懐けている。
なんて噂が広がれば、目指していた平穏な三年間とは今日でおさらば。

そんな変な妄想をしては頭まで湯船に潜って、これからの学校生活の不安を必死に拭った。