狼の目に涙

『前田くん…。それって』

「うん。今言うことじゃないって分かってる。ずるいよね。でも、俺なら良いのにって。俺を選んでたらもどかしくないって言ってくれたでしょ?」







確かに言った。



佐々原くんは、女の子の気持ちに気づかない人だけど、前田くんは気遣いもできて、私の少しの心の変化にも気づいてくれる。




そんな人が好きな人だったら、もどかしくないよね。と。





回らない頭でも突然の混乱がやって来ると、それなりに回ろうとするもので、前田くんの言葉を噛み砕こうと必死に目の前の状況を整理した。