狼の目に涙

「佐々原が本当にこのまま起きなかったら、俺生きていけないかも」






前田くんの一人称が珍しく、僕から俺になった。


ショックが隠し切れていないのが分かる。






それは私も同じ。


何も言葉が出て来ないけど、目を覚まさないかもと聞いて、目の前が真っ暗に感じた。




佐々原くんの体は存在するけど、人格が存在しない。






そんなの、居ないに等しい。







箪笥から部屋着や下着を出して、ボストンバッグに詰めていくけど、何を詰めたら良いか頭が回らない。











本当に居なくなるかもしれないなんて。







私は、これからどうすれば良い?