狼の目に涙

「お母様、まだ雅くんは眠ったままです。いつもなら起きる頃なんですが。…少し別室でよろしいですか」







お母さんとお父さんだけ診察室に通されて、また廊下に静寂がやってきた。







「佐々原…」







前田くんの弱々しい呼び声は、隣に居た私でも聞き取りにくいほど小さな声。




幼い時からずっと一緒で、前田くんにとっては弟的存在な佐々原くん。









『……』








前田くんにとって大事な存在である佐々原くんが、いつ目を覚ますのか。

不安なのが、伝わってくる。