狼の目に涙






中学生だった私は、シングルマザーの大変さを知っていたから、毎日私がご飯を作っていた。



学校に行く時間に一緒に家を出て、帰ってくるのは私が寝る前。






机にご飯を置いておくと、寝室に顔を出して「いつもありがとうね」と欠かさず言ってくれる。





それが毎日続いていたから、寂しいと思ったこともないし、我儘を言ったこともない。




唯一私が我儘を言ったのは、授業参観に母親が来てくれなかった時。








その時は仕方がないと私が折れたけど、仕事が忙しかったからと謝ってくれた後、本当は男と会っていたと知った。









知りたくなかった。