「あこちゃん、そこで待ってなさい。先生とそっちに行くから」
『はい。佐々原くん…』
「大丈夫よ。みんないるからね」
電話が切れて二分。
感覚は一時間で、現れた白衣の男の人と二人の女の人が、あっという間に佐々原くんを担架に乗せていった。
「…ちゃん?あこちゃん?」
『……あ、お母さん』
「大丈夫よ。雅は大丈夫だから。今お父さんも来るし、前田くんも来てくれる」
何も返せずに、お母さんに肩を抱かれて先生たちについて病院に向かった。
救急の診察室の前、ベンチがあるのに誰も座らず、私と佐々原くんの両親、途中で合流した前田くんと、廊下をうろうろ。



