狼の目に涙






『ねぇ!ちょっと、嘘とかやめてよね』







冗談でしたって言って笑って起きてほしくて、体をゆすってみるけど、倒れたまま。







確か、高熱が続いたら良くないって前に話してた。


一年に二回も高熱を出すのは、異常だ。







しかも、さっきまで笑って話してたのに、急に倒れた。





目の前にかかりつけの病院はあるけど、男の人を一人では運べない。





誰かを呼ぶにも、近くに人がいない。







危ないのは佐々原くんなのに、何もできない自分が不甲斐ない。






佐々原くんがいなくなっちゃう。







やっと自分の気持ちを伝えられたのに、もう一人になりたくない。




置いていかないで…。