狼の目に涙







少し積極的に行きすぎただろうか。


昨日、受け止めると震える手を握ってくれた佐々原くんと同じように、
隣で三角座りで手を組んでいる佐々原くんの手を握ってみた。



勢いよく私の方を一瞬見ると、切れ長の目をさらに細めて握り返してくれた。






「もう逃げんなよ。昨日みたいに」





佐々原くんの言う、昨日の逃げるとは多分、寸前で顔を背けたことだと思う。


自分の気持ちの整理が追いつかなくて、逃げてしまった。





『あれは…またいつか一人になるのにって思っちゃったんだよね』

「俺はどこにも行かないから」

『うん』