狼の目に涙

私が佐々原くんへの気持ちに気づき始めた頃、前田くんに言われたことを思い出す。



私たちは多分、名前の通りすれ違えてはいないけど、共に困難を乗り越えてきた。





佐々原くんの看病、平岡さんたちからの逃避行。








『佐々原くんが全部一人で背負わなくて良いって言ってくれて、私ずっと強がってたんだって気づいたの』

「お互いの気遣いがすれ違ってたってことだな。頼ってほしいとは思ってたけど、頼ろうとはしなかったじゃん」

『そうだね。私は特にそうだった。でも佐々原くんが受け止めてくれるんでしょ?』