狼の目に涙

今聞き慣れない恥ずかしいことを言われた気がする。




『え?今何て言った?』

「何も言ってない。どこ行く?」

『バス停の近くの砂浜行きたいかな』






聞き直したけど、当たり前にもう一度言ってもらうことはできずに、お母さん手作りのお弁当を持って砂浜に降りた。








『いつ来ても綺麗だね。ここ好き』







初めてここに来た時に座った、波打ち際の砂浜に腰掛けると、佐々原くんも自然と私の隣に腰掛ける。






「三浪の特等席だな」

『うん、そうだね。佐々原くんがいてくれると…尚更』





語尾が萎んでしまったけど、お母さんに言われた通り、素直になって甘えてみた。