狼の目に涙






泣きそうになった。


人の温かみに触れて泣きそうになったのは初めて。







こんな人が私のお母さんなら良かったのに。








「おはよ。眠れたか?」

『おはよ。うん、それなりに』

「着替えてくる…。三浪は?着替えろよ」






昨日、身につけているものしか服がなくて、佐々原くんのお母さんの好意で借りたパジャマ。



血だらけの制服はもう一度着れるわけもなく、私服まで借りてしまった。





「これ長いこと着てないの。今の私には似合わないから。あこちゃんにあげるわ」

『…そんなのダメです!お借りするだけでも申し訳ないのに』