狼の目に涙

『うん、ありがとう』





窓の外を見れば、夕焼けと暗闇が混じった夜の始まりの時間。



一人だとなんて事ないのに、佐々原くんがいるだけで、この絶妙な暗さが寂しさを誘う。






「近くにいた方が良い?」

『ううん』

「そう…何かあったら呼んで。下にいるから」







パタンと扉が閉じて、一人になる。




『……はぁ、』





体の中にようやく空気が入ってきた。

深呼吸を繰り返して、ベットに倒れ込むように仰向けになる。






私が顔を背けなかったら、重なっていたはずの唇。指で触れると、所々逆剥けがあった。