狼の目に涙

目的地も告げられず走り続けると、一時間ほどで車が停まった。





「着いた。俺は後処理があるから戻るよ」

『…後処理?』

「三浪は聞かなくていい。ありがとな。あとは頼む」

「うん、任せて」




佐々原くんから促されるまま車から降りると、そこは佐々原くんの家。





『前田くん、ありがとう』

「また学校でね」






後部座席のスライドドアが閉まると、急発進して車は消えた。



スライドドアが締まり切る直前まで、満面の笑みで手を振ってくれていた前田くん。
何度思い返しても佐々原くんの幼馴染には見えない。