狼の目に涙

「歩けるか」

『うん。足は怪我してないから大丈夫』

「どこか痛む?」

『肩かな…。でも今は痛くないから』

「今はな。後から激痛だから」




コンテナを出ると、黒のハイエースが私が乗せられたワンボックスの隣に停まっていた。

いつの間に、この車を手配したんだろう。



高校生だから車の免許はまだ取れないはず。
ということは、佐々原くんの師匠みたいな人がいて、その人がまわしてくれた車なんだろうか。




「三浪。ぼーっとしてないで、車に乗れ」

『あ、うん。佐々原くん、助けに来てくれてありがとう。ちょっと捕まるの、早かったかな』

「いや。本当は三浪を無傷で助けたかったんだけどな」