あなたの声が聞きたくて


私も前の街では色々あったんだよね


〈花崎さん、もし俺の声が出た時喜んでくれる?〉


そんなの1つしかないよ


「当たり前だよ。声が出たことに喜ばない人はいないよ」


〈ありがとう。そろそろ暗くなってくるから帰ろっか〉


私の手を取って立ち上がらせてくれた


〈花崎さんってすごくいい人だね〉


「そうなの?」


〈うん、すごく暖かかったから〉


「ありがとう」


お母さんもお姉ちゃんも私の事大切に育ててくれてるからかな


「高崎くん、実は私ね…お父さんが居ないんだ」


〈えっ!〉


「でも、お母さんもお姉ちゃんもいるからいいんだ!」


高崎くんのあの時と同じくらいの時期にお父さんが亡くなった


交通事故でね


助かってたかもしれないのに、医者はそれを野放しにした


偶然同じ時間に運ばれてきた政府の人の治療に回ったからお父さんは助かった命も助からなかった