「私も辛いわ。別れるなんて聞いてないものね。実は前から決まっていたことだなんてそんなこと…実はその手紙、昨日預かったのよね」

先生の話を聞きながら、わたしは溢れ出る涙を拭っていく

「一花へ、たくさんの幸せをありがとう。また逢う日まで」

「って書いてある。でもなんだか胸騒ぎがするんだけど」

なんだろ?この胸のざわつきは

「へ、変なことはないと思うんだけど。どうしようかしらね、先生も落ち着かないわ」

手紙を読み返してみても『転校する"』としか書かれてないから、大丈夫だとは思うけど

「一旦教室に戻ってみましょ?なにかわかるかもしれないから」

「わかりました」

生徒指導室を出て、真っ先に先生と一緒に教室に戻ると、クラスのほとんどは雅人くんの転校を惜しんでいた

もちろんその中の私も一人だ

「あ、一花、あれその手に持ってる白いものは何?」

私はここに来るまで落とさないように大事に持っていた手紙をみんなの前で見せた