「一花…?」

「暖かいね。雅人くんの手」

実はまだ胸騒ぎは収まらないでいる

「一花、一花の手こそあったけーよ!」

私が立ったままでいると、雅人くんがベッドの脇に座るように促した

「どうしたの?」

ギュッ

「ま、雅人くん?」

「一花、いや、なんでもない。このまま離れるのは嫌なんだ。俺、怖い夢見たんだ」

「怖い夢?」

「あぁ、それが何かはまだ言いたくないかな。言うと一花までもが悲しみそうだから」

本当にどんな夢だろ?

「一花」

何度も私の名前を呼びながら、そして私も雅人くんを抱きしめながらしばらく部屋にいた

この温もりを忘れたくないそんなことは初めてでした

一度だけ、雅人くんはキスをしました

初めてのキスが雅人くんでよかった

「あ、中学生ってキスするのかな?」

「わかんない。でも」

『暖かい』

しばらくベッドで横になってると、2人して眠っていたらしく気がつけば自分の家にいた

しばらくしてから、キスしたことを思い出して私は枕に顔を埋めた