「一花、ちょっと俺の隣に立って?」

「えっ?」

私は貝殻から視線を動かす

雅人くんはスマホを片手に手招きをしている

「うん、わかった」

私が雅人くんの隣に立つと、肩を抱き寄せた

「ずっと一花と写真を撮りたくて、あとは…海に行きたかったって言ったけどそれだけじゃないんだ」

「えっ?」

「ほら、笑って海をバックに写真撮ったら綺麗だろうなって思ったから。撮るぞ?」

パシャリと撮り終えると、スマホをポケットにしまって私を抱きしめた

「えっ…ちょ…えっ」

「一花、俺今から1回しか言わねぇから、よく聞いて?」

「???」

私の頭の中はハテナで覆い尽くされた

でもこれから雅人くんが言うことは分かってるつもりだった

雅人くんは私から少し距離を取ると、右手を私の前に差し出してきた