きょうから俺は中学1年


他の男の子はこれから顔つきがかっこよくなって、声も低くちょうどいい声になっていくことだろうな


俺は声変わりなんてまだしてないと思う


兄貴はすっかり大人の男の人だ


春の陽気に包まれながら、とはよく言ったものだ


二度寝してしまいそうになってるのを堪えながら身体を起こした


1階に降りていくと、ブレザーを着た兄貴が学校へ行くところだった


「あ、雅斗(まさと)おはよう!今日俺早くこいって言われてるから一緒に行けそうにないんだ。ごめんな」


と変わらない笑顔で、俺の頭を撫でる兄貴


俺は頷くと顔を洗った


俺はあることがきっかけで声が出なくなった


なんでこんなことになってしまったんだろうか