甘い体温


『え、ちょっと待って、ここって…』


陽生手を引かれ、連れて来られたのは私が来たことがない大型スーパー


え、何でスーパー?


訳が分からず、私がスパーの入り口を入ったところで立ち止まっていたら



『果歩何食いたい?』



買い物かごを持った陽生が顔を傾けながら私に尋ねてきた


『え、何で?』


『晩飯の買出しするから』


『は?』



晩飯の買い出しって…


本当に作る気だったんだ



『別に作ってくれなくてもいいよ!
陽生がわざわざ作らなくても、ホテルで頼めばいくらでも作ってくれるんだし』


こんな面倒なことしなくてもさ


『まぁ、まぁ、いーから、そんなこと気にすんなよ!
ていうかさ、俺があんまりホテルの料理食べたくないだけだから』


『え、そうなの?』


『そ、たまにだったらいいんだけどさ、こう毎日だとくどいっていうかさ
ほら、結構こってりしたのが多かったりするし、どっちかって言うと俺、和食派だから』


そう言うと、陽生は私の手を掴んでスーパーの中へと足を進める


ようするに、ホテルの食事に食べ飽きたってこと?


ふ〜ん、あっそ


そう言うことね


ったく…これだから金持ちは…



『それに言うだろ、意中の相手にはまず胃袋を掴ませろって』



はっ?



『何よそれ?私をご飯で落とそうっていうつもり?』


『そういうこと、料理の旨い旦那様のもとにはちゃんと奥さんが真っ直ぐ家に帰って来るっていうだろ』


そう言うと陽生は私に爽やかスマイルを向けた