甘い体温


目が合った瞬間、陽生はいつものような穏やかな表情に戻り、私に笑顔を向ける


そして、取り囲んでいた女達から何事も無かったように離れると、当たり前のように私の傍に歩み寄って来た


『な〜にそんなとこで突っ立ってんだよ』


私のすぐ目の前まで来たとたん、陽生は私の頭をクシャクシャ撫でた


『……』


だけど私はそんな陽生に何も言う事が出来ず、無言でじっと陽生の顔を見つめるしかできなくて


『ん?どうした?』


何も言わない私に優しく微笑んでくる陽生


『俺に会えて言葉にならないほど嬉しいの?』


そう言うと、悪戯に私の顔を覗き込む


『え?』


そんな陽生にようやく私は慌てて声を向けた


『ば、ばか!何言ってんのよ!!』


私は思わず後ろに一歩下がると、陽生と距離をとる


目の前にいる陽生はもういつもの軽いノリの陽生で


さっきの態度がまるで嘘のようだった


急な変わりように、なんだか拍子抜けしてしまう私


『ふ〜ん?ま、いいけど?よし、じゃあほら帰るぞ果歩』


『えっ』


そう言うと陽生は突然私の手を掴み、強引に歩き出す


『え?ちょっと!陽生??』


驚いた私は慌てて陽生に声をかけるものの


私の言葉を無視してどんどん自分の車へと向う陽生


そんな陽生に私はただついて行くしかなかった