コンクール当日。


街中を、ひとり。

大きめの色メガネをかけ。
スカーフを、
頭からスッポリとかぶり、
人の中を
おそるおそる


いちいち驚きながら歩く、
ローズの姿があった。


 そうしてやっと、
学校へ、たどり着き。


持て余してもどうしたらいいのか判らなかったので、

わざと。

ギリギリの時間を見計らい動いたおかけで、
ちょうどメリーアンのステージはこれから。

というタイミングだった。


 入り口を入ってすぐの
壁ぎわに居場所をきめ
ローズはほっと、息をついた。




 メリーアンのクラスの番となり
全員がステージへと並び、
一斉に、歌いだした。
その中に、
メリーアンもいた。


終盤に差し掛かったとき、
スッと。

一組の男女が
中央に歩みでた。
メリーアンは歌いだした。



♪何ができる?何かできる?
 この くたびれた私に
 (教えて?)

 何ができる?何かできる?
 この 錆ついた地球に
 (聴かせて)

 優しくすること(誰に?)
 大事にすること(何を?)

 すべてを


 あなたが 手のひらにのせ
 ホラって見せられるくらい

 こころ 感じられるのは
 ほんとうに優しかったからネ?


 気付く事
 声にすることを忘れないこと♪




気付くと
メリーアンは涙をこぼしながら
歌っていた。


 (あれは、メリーアンで

  私ダ) 
ローズも泣いていた。