「えええ?名波先輩と付き合うことになったぁ?」
翌日の朝イチで、紗良と千春に説明した。
放送室で名波先輩と過ごしていたこと。
ギターの練習を一緒にしていたこと。
「栞ちゃんが、影でそんなアオハルしてたなんて…」
紗良は、ううっと泣き真似をしてみせたけれどすぐに笑顔に戻った。
「でも、栞ちゃんが幸せなら私もうれしいっ!ねーっ、千春ちゃん」
「アンタいちいち騒ぎすぎなの!もー昨日も栞が帰ってから紗良がうるさくてうるさくて」
どうやら紗良は私と名波先輩の関係を、あれやこれやと考察していたらしい。
全て的外れだったようだけど。
「でも、よかったね栞。おめでと」
千春がそう言って笑ったので、私も「ありがとう」と笑った。
「おはよ」
そして、いつもより少し遅く登校してきた有島くんに
ちゃんと、告白の返事をしないといけない。



