キミと放送室。




あれから1週間、毎日こうして2人でギターを順番に弾きながら練習していた訳だけれど。


名波先輩は上達が早く、もう半分くらい弾けるようになっていた。

どうぞとギターを渡され、

「名波先輩、上達早くないですか?」

と私が言うと

「センスだよ」

なんてふざけて言うから思わず笑った。





「メダカって、笑うとかわいいよな」

「え?」

「あ。そういえば、さっきのCDって男だろ?」

思いついたように喋る名波先輩に着いていけずに固まってしまう。


何から答えれば…。



「えっと、はい」


「選んでる曲見たらすぐ分かった」

「曲で分かるんですか?」

「まぁ。彼氏?」

「ち、ちがいます」

「じゃあ、片思いか」

「そんなんじゃないです!」

名波先輩は頬杖をつきながら「ふーん」と、真っ直ぐに私を見た。



「からかってます?」

見透かされているようで、居心地がよくない。

「うん。からかってる」





私は、ギターを置いて立ち上がった。

「今日はもう終わりです」

いたたまれなくなり、そう言ってスタジオを出ようとすると「あ、逃げた」と笑う声が聞こえてきた。

放送室から名波先輩を確認するけれど、特に気にする様子もなくいつも通りソファに我が物顔で寝転がってお昼寝体勢になっている。



本当に飄々とした人だ。


私はお弁当を広げ、雑念を振り払うように唐揚げを頬張った。