その2
多美代



いやあ…、おけいのこの機転の利きよう…

毎度ながらたまげるよ

「…キミ、なかなか鋭いところを突くなあ…。感心だ。…実はさ、俺たちも今日、相和会なんかを仕向けておいて、墨東傘下を出て行った真樹子に偉そうな口きかれて腹が立ってるんだ、正直ね。本来ならここへアイツが出張れないように、真樹子が連れて出た旧赤隊を阻止する予定だったんだし」

「先輩‥!」

私は嬉しくなっちゃったよ…

「よし、今の要望、ぶつけてこよう。ちょっと待っててくれ」

「すいません…」

なんと、墨東会のお兄さん3人全員で岩本のもとに勇んで殴り込んでくれたよ


...



「おけい…」

「うん…。多美、たぶん、先輩方は強い調子で岩本に突きつけてくれるよ。そうなれば、岩本は今日の件もあるし、それなりに返答はせざるを得ない。それが、向こうの方針そのままだろうね、きっと。何しろ、あの人は本郷の片腕的存在だもん。今回の組み立てはすべてツーカーさ。無論、今日の火の玉決戦も…」

「じゃあ、ヤツらはやっぱり…」

「もう、本郷麻衣しかあり得ないでしょ」

「まあ、そうだとは私も思うけど…。それで、荒子さんだけでなく幹部すべて来ないって場合にどうからませるってんだ?」

「いいかい、多美…。本郷麻衣は私らと同じ高1の新入生だけど、あっちサイドのボスだよ。ヤツがタイマンを受ければ、あいつらが挑んできた雌雄を決する闘いになる。時間ぎりぎりで誰も来なきゃ、私がヤツに挑む…」

「おけい…」

...


3分もしないで墨東の先輩3人は戻ってきた

「…お待たせ。真樹子のやろう盛んに逃げていたが、こっちも執拗に詰めたよ。はは…、最後は真樹子も仕方ねえなあって顔で答えたわ。…向こうは、相和会の会長と血縁だって噂の、例の本郷という子ってことで決まってるようだ」

「そうですか!」

「先輩方、ありがとうございます。とにかく、時間ぎりぎりまでこっちの対応を待ってください。今、南玉内はみんな必死で話し合ってるんです」

「…わかった。たぶん、時間後には南部さんと紅組もここへ到着するだろうし、後は南玉次第だ。いざとなったら、キミたちの判断に委ねるしかない」

「はい!」

おけいと私は、声を揃えて返事というか宣言をしたよ

この時、時計の針は7時10分を指していた

もう時間が迫ってきたぞ…