「あ、おと……」

僕は、ずっと無口で俯いていた清水(しみず)蒼斗(あおと)に話しかける



「なにか…あったの?」


「僕、なにかしちゃったの?」




「ねぇ……っ、」











「蒼斗………ッ、!!」



そんな叫びも虚しく、蒼斗は空き教室を出ていった。





僕…なにかしたんだろうか。


せめて秘密がバレたのなら、良かった。

だってそれは自分の非だから。
自分の、駄目なところだから。




なのに…







「僕……、彩奈ちゃんになにかしちゃった…?」




『彩奈ちゃん』


その言葉が引っかかって、取れないまま

授業のチャイムがなった。