おたくの元姫、女装男子なんですよね




「皇古葉、いっきまーす」


一人でぼそっと呟いて、また歩き出した。








学校に近づくに連れ、同じ学校の制服を着ている人が多くなっていく。

心なしか、みんな僕を見ているような――まぁ、気の所為だよね。


僕は美少女だけど、この高校は顔面偏差値高いんだから





「…あれ?」


校門から見えたのは、運動場の真ん中に堂々と立っている、総長。





「そっうちょー!何してるのー?」

怖い顔してる総長に、話しかける。


「…やっと来たか、付いてこい」



「…え?」




そう言って、総長は僕の腕を掴んで歩き出した


「っ…い、痛いよ…。どうしたの…?」



そんな言葉にも、反応してくれない。








僕を見ている人たちの薄ら笑いが、とても不気味に見えた