「梓、寝すぎ。もう放課後だぞ」

ほう、かご、?

「……え、私そんなに寝てた、?」

「あず、すごい爆睡だったよ」

隣の席の男の子ーー葵ヶ崎翠くんがクスッと笑いながら言う。

笑った顔も綺麗だなぁ。

なんでそんな美しくなれるんだろ?

その顔をじっと見つめていると後ろからパコンッと素晴らしい音を立てて何かが私の頭にクリーンヒットした。

「痛…」

「まだ寝ぼけてんのかと思って。起こしてやった」

後ろは振り向かない。

彼ーー紫苑涼くんが勝ち誇ったような顔でこちらを見ていることなんて分かりきっているから。

「もー!おんなのこを教科書の角で叩くなんてだめでしょ!?」

そう言いながら私に抱きついてきたのは菫坂結くん。

その体に私も腕を回し抱きしめ合う。

かわいい、、私の癒し。