どうすれば……助けを求めようと周りを見ても面倒ごとに巻き込まれないように目を逸らす人ばかり。だんだんと恐怖心が増してじんわりと涙が滲む。
「固まっちゃって、かわいいねえ」
舌なめずりをして正面の男が私の肩に触れようとした、その時。
「触るな。彼女にそれ以上近づくなら、お前たちの首が飛ぶ」
後ろから救いの声がした。振り返ると恭介さんが殺気立った顔つきをして居る。隣とそれから後ろから小さな噛み殺した悲鳴が聞こえた。
「あなたは桜坂家当主、桜坂恭介様!!」
隣にいた男が叫びながら縁台から落ちる。恭介さんから視線を動かし正面に向き直ると、そこにいたはずの男も腰を抜かして地面に座っていた。
「不快だ。俺の前から消えろ」
体のどこかを刺されたような真っ青な顔をした男二人組は互いにぶつかり合いながら走り去っていく。
「怖い思いをしただろう。1人にしてすまなかった」
空いた縁台に座った彼の表情は普段通りの穏やかなものに戻っていた。私たちの間に給仕の女性がお盆に乗った串団子と抹茶二つを置く。
「助けてくださって、ありがとうございました」
「今日のカスミは普段より一段と綺麗だからな。……ほら、これが店一番の人気らしい」
「固まっちゃって、かわいいねえ」
舌なめずりをして正面の男が私の肩に触れようとした、その時。
「触るな。彼女にそれ以上近づくなら、お前たちの首が飛ぶ」
後ろから救いの声がした。振り返ると恭介さんが殺気立った顔つきをして居る。隣とそれから後ろから小さな噛み殺した悲鳴が聞こえた。
「あなたは桜坂家当主、桜坂恭介様!!」
隣にいた男が叫びながら縁台から落ちる。恭介さんから視線を動かし正面に向き直ると、そこにいたはずの男も腰を抜かして地面に座っていた。
「不快だ。俺の前から消えろ」
体のどこかを刺されたような真っ青な顔をした男二人組は互いにぶつかり合いながら走り去っていく。
「怖い思いをしただろう。1人にしてすまなかった」
空いた縁台に座った彼の表情は普段通りの穏やかなものに戻っていた。私たちの間に給仕の女性がお盆に乗った串団子と抹茶二つを置く。
「助けてくださって、ありがとうございました」
「今日のカスミは普段より一段と綺麗だからな。……ほら、これが店一番の人気らしい」



