恭介さんの瞳は私を捉える。もう待っていたことに驚いたようで彼は近くにいた家臣に黒馬を預けると足早に歩いてきてくれた。
「もう待っていたのか」
「はい、楽しみだったので……つい」
「それでは行こう」
再び歩き出した彼は私より前を行く。それでも足取りはゆっくりとしたものだった。
「馬をお連れしていたのでてっきり馬で行くのかと」
「城下はすぐだからな。馬が良かったか?」
「いえ!そんな。でも、いつかは乗ってみたいです」
「覚えておくよ」
他愛ない話を続けていると、一際賑やかな場所が見えてくる。商人の売り声や子供たちが遊び回る音、大人たちの笑い声。
それに全員着物を着ている。現代ではお目にかかれない光景にわくわくした。
無意識のうちに歩く足は速くなり、前にいる恭介さんも抜かしてしまう。
「おい、走ったら転ぶぞ」
先に行こうとしていた私の腕を彼が掴む。子供みたいって思われちゃっただろうか。それでも私の興奮は冷めない。
触れて悪い、と手を離そうとする恭介さんの手を今度は私の方から握った。
「私が転びそうになったら助けてください!」
「もう待っていたのか」
「はい、楽しみだったので……つい」
「それでは行こう」
再び歩き出した彼は私より前を行く。それでも足取りはゆっくりとしたものだった。
「馬をお連れしていたのでてっきり馬で行くのかと」
「城下はすぐだからな。馬が良かったか?」
「いえ!そんな。でも、いつかは乗ってみたいです」
「覚えておくよ」
他愛ない話を続けていると、一際賑やかな場所が見えてくる。商人の売り声や子供たちが遊び回る音、大人たちの笑い声。
それに全員着物を着ている。現代ではお目にかかれない光景にわくわくした。
無意識のうちに歩く足は速くなり、前にいる恭介さんも抜かしてしまう。
「おい、走ったら転ぶぞ」
先に行こうとしていた私の腕を彼が掴む。子供みたいって思われちゃっただろうか。それでも私の興奮は冷めない。
触れて悪い、と手を離そうとする恭介さんの手を今度は私の方から握った。
「私が転びそうになったら助けてください!」



