だけど帰宅して、普段通りご飯を食べて、お風呂に入って、テレビを見て。
どの瞬間を切り取っても恭介さんがいない悲しみに溢れた。それに黒薔薇の印が無くなったからか幽霊が視えなくなった。
退院後四日を過ぎてもずっとずっと泣き続けていた。夏休みだから誰に会うこともない。カーテンも開けずに暗い中泣いていた。
「……そろそろ元気出せよ」
夜叉さんはそんな私のそばにいた。涙を拭うことも背中をさすることもせず、じっと私を見ている。
渡せなかった恭介さんへのプレゼントのハンカチは警察の方が届けてくれた。ぐちゃぐちゃになった包みは捨ててハンカチだけを泣いている間中、握っている。
「“過去”に戻れるならって考えたことあっか?」
「そればっかり、考えてます」
「俺の能力について話したことなかったよな」
ソファに体育座りをして顔を埋めていた私はバッと声のする正面に顔を上げた。案の定夜叉さんはテーブルを挟んだ向こう側のソファにあぐらをかいている。
「オマエのことをオマエと恭介が出会うよりもっと昔。この運命を変えられるだろう過去に送ってやる。……だだし一度きりだ。失敗は許されない」
「!!やります。やらせて」
どの瞬間を切り取っても恭介さんがいない悲しみに溢れた。それに黒薔薇の印が無くなったからか幽霊が視えなくなった。
退院後四日を過ぎてもずっとずっと泣き続けていた。夏休みだから誰に会うこともない。カーテンも開けずに暗い中泣いていた。
「……そろそろ元気出せよ」
夜叉さんはそんな私のそばにいた。涙を拭うことも背中をさすることもせず、じっと私を見ている。
渡せなかった恭介さんへのプレゼントのハンカチは警察の方が届けてくれた。ぐちゃぐちゃになった包みは捨ててハンカチだけを泣いている間中、握っている。
「“過去”に戻れるならって考えたことあっか?」
「そればっかり、考えてます」
「俺の能力について話したことなかったよな」
ソファに体育座りをして顔を埋めていた私はバッと声のする正面に顔を上げた。案の定夜叉さんはテーブルを挟んだ向こう側のソファにあぐらをかいている。
「オマエのことをオマエと恭介が出会うよりもっと昔。この運命を変えられるだろう過去に送ってやる。……だだし一度きりだ。失敗は許されない」
「!!やります。やらせて」



