Flower~君の美しい記憶の中で今日も生きていたい~

“カスミ”との別れを繰り返しているような気分だ。だけど、“霞”は死なせない。今度こそ失わせない。


なあ、カスミ。君との約束は守れそうにない。


彼女がくれた手中にあるハンカチを指でなぞる。君が言ってたことはこのことだったのだな。



__たとえ恋い慕う人が運命に巻き込まれようと決して死んではいけない。


__それは恭介さんのせいではないです。それに、あなたが消えてしまえば、その人は生き延びても死んだように息をするしかできなくなります。



__君は未来でも視えるのか?


あの時そう言った俺にカスミは悲しげに眉を下げた。