スーパーに寄って食材を買ったり、カフェで新作商品を飲んでみたり。夜に鑑賞する映画やドラマを借りに。

そしてたまに扉を潜って海外に連れて行ってくれたり。


夜になれば夜叉さんがどこかから帰ってきて三人でテーブルを囲む。お風呂に入って、三人で借りてきた映画やドラマを鑑賞する。


鑑賞後はそれぞれ自室で過ごす。私は勉強、2人は……何をしてるんだろう。恭介さんは本を読んでいるイメージだ。私のお気に入りの本を彼は読んでくれている。

金曜日の夜であれば夜叉さんには内緒で恭介さんとコンビニへ行く。行きはドアからのワープで帰りはアイスを齧りながら歩いて戻る。


卒業したらこの関係も終止符を打つ。それまでに、私は、この胸に秘める想いを告白したい。夜になって1人になるとそう思う。


小さな幸せを綴るノートには日々多くのことを書いた。彼に振られてしまってもこの奇跡のような幸せな生活を鮮明に思い出せるように。


充実した日々を送っていた。


だけど


「おはようございます」


いつものように先にリビングにいるはずの彼に挨拶するが姿がない。代わりに普段は遅く起きてくるはずの夜叉さんがソファで眠っていた。


「夜叉さん、おはようございます。恭介さんは?」


「くわっ……はよ。アイツなら今日は部屋から出て来ねェよ」


「え」


その日、恭介さんの不老不死の呪いの真相を知ることになる。